#第四章





彼女は冬でも海に行きたがった。


彼女には海がすごく似合う。


私、前世は魚だったのかも。彼女はそう言って貝殻を集めては透明なボトルに入れた。


ハイビスカスの花を髪に挿した彼女の前世は魚なんかじゃなくて人魚だったみたい。


私の前世はきっと人魚に憧れる貝殻で、彼女に拾われて飾ってもらいたがっていた。