#第九章





彼女は泡になった。


だって未だに彼女は見つからないから。


この砂浜に座っているといろんなことを思い出した。


ショーンは私にギターを弾いてくれるの、とうれしそうに彼女が言ったこと。


彼が隣のクラスのニコルとキスをしていたことを告げると彼女が長いまつげをそっとふせたこと。


彼女が天使みたいな声で Time to say goodbye を歌ってくれたこと。


2人で学校の先生のまねをして日が沈むまで転げまわったこと。


私は彼女が大好きだった。